元記事消してしまったので再投稿
嫁さんが図書館にこんなのがあったよと借りてきてくれた。
鉄道が出てくる小説、エッセイ、紀行、詩歌などのアンソロジーですが、鉄板の百閒先生が「特別阿房列車」ではなく「房総鼻眼鏡」だったり宮脇先生も「夢の山岳鉄道」からだったり、おや?と思わせるチョイスは編者が目指したところでしょうか。
収録作品でこれは!と思ったものが上田廣の「指導物語」戦時中に作られた鉄道を舞台にした傑作映画の原作です。
読んでみると映画がほぼ原作とおりに作られていたのがわかります。
映画は陸軍省推奨のいわば国策映画でもあるのですが、一人息子を戦地に送る母親の眼差しなど反戦(非戦)映画か?とも思えるような描写がありますが、原作にも徴兵の利不順さ、軍隊という組織への批判とも読み取れる箇所がありますが、これは後世の目でみているからかもしれません。
上田廣氏は現代では忘れられている作家ですが、鉄道省勤務から応召され、鉄道省復帰後に専業作家となった方で、鉄道を舞台とした小説も多く書かれています。
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