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2009年8月24日 (月)

最近読んだ本

本のなかの鉄道ネタを少々。

平岩弓枝 旅路 上中下 角川文庫
先日映画を見たので小説も読んでみました。
脚本を小説化したものだそうだが、当時のドラマは見ていないのでどれだけ差異があるかは不明。
鉄道員の半生を描いた作品、と言われますが正確には鉄道員の妻の半生の物語ですね。
鉄道そのものの話は期待したほど出てきませんが、超特急「燕」運転にあたって結城氏の名前が出てくるあたりはニヤリとします。
鉄道で働く者の心得を懇々と説く元駅長やベテラン保線係の台詞には、きっとこういう人たちが日本の鉄道を支えてきたんだな、と胸が熱くなりました。
ストーリーは一昔前のメロドラマの王道、すれ違いと偶然の再会で進んで行きます。
北海道が主な舞台なのですが、ラストがあれとはうかつにも気が付きませんでした。

R・P・ファインマン 「困ります、ファインマンさん」 岩波書店
物理学者ファインマン氏の軽妙なるエッセイの第2弾。
1986年東大の招待で物理学学会の議長としてご夫婦来日した折、奥様が旅行予定を組む係の持っている鉄道地図を見て突然「いせおきつに行きたい」と言い出す。
名所旧跡よりもなにもない辺鄙なところをぶらつくのが好きなご夫妻なのだそうだが・・・
まさかファインマンさんが名松線に乗ってたなんて思わなかったよ。

広瀬正 エロス 集英社文庫
戦前の東京を舞台にした物語を得意とした著者の作品群は、決して忘れられることなく読み次がれているようです。
元の全集版は没後の1977年刊、1982年に文庫化され昨年改定新版が出ました。
この作品、タイトルで損しているように思えます、ちょっと手に取りにくいんじゃないかなこれは。
鉄ネタ的にはヒロインの父親代わりの叔父が市電の運転士で、昭和9年の市電争議が作品上のひとつのポイントになっています。
ヒロインが帝大の学生とつかの間の逢瀬を楽しむのが曙橋から初音町までの市電の中、ヒロインは市電で日比谷や浅草にも出かけています。
また作者の分身の少年は1/45のC57の模型を制作中で「しんちゅうは、もう売っていませんから、ブリキで作っています。」なんてこと言っています。

久世番子 私の血はインクでできているのよ 講談社ワイドKC
エッセイコミックです、おえかき少女が漫画家になるまでのお話ですが、名古屋在住の著者はかつて名鉄駅員さんの同人誌を出したのだそうな。
即売会の様子がヒトコマ描かれているのですが、そこでは鉄道ファンに「6000系のパンタグラフの位置が違うよ」と指摘されています。
たしかに鉄道をテーマにした本(それが駅員さんの制服目当てであっても)で電車がきちんと描かれてないと気になりますが、著者もよくこんな台詞覚えていたなぁ。
あるていど分かっていないと指摘されたことの意味も理解できないですから・・・
それとはっきり6000系と分かる絵を描いていたというのも凄いのかも。

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