交通新聞社新書2点
最近読んだものと読書中のものを。
先月の新刊だったかと思います「蒸気機関車の動態保存」青田孝著。
サブタイトルに「地方私鉄の救世主になりうるか」とあるように、動態保存蒸機のなかでも大井川、真岡、秩父の3社にポイントを絞ってその歴史、現状などをレポートしています。
蒸機の運行は大井川は黒を出していますが、真岡、秩父は経費のほうがかさんでいる状況が続いているものの、蒸機運転による観光客の入り込みは大きく、それが評価されて運転が続けられている、という結論ですが、それでは他でやったら成功するか?難しいところだと思います。
大井川、真岡にくらべあまり取り上げられる機会が少ないように見受けられる秩父の運行開始までの様子など初めて知る内容が多かったです。
JR各社の動態機についてもさらっと書かれていますが、北海道のC623については一言も触れられていないのは少々悲しくなりました。
蒸気機関車、保存鉄道に興味のある方には一読お勧めします。
今月の新刊「鉄道が変えた寺社参詣」平山昇著。
まだ読み終えていないのですが、非常に面白い本です。
伝統行事のように思われている初詣が実は鉄道とともに、それも競合する会社の存在によって定着してきたという視点はまさに目からウロコです。
なぜ初詣は成田山、川崎大師が突出して人を集めているのか、当時の新聞記事を丹念に集めてその隆盛ぶりを追いかけています。
歴史、民俗に興味のある方は鉄道にあまり関心がなくとも面白く読める本だと思います。
初詣に限らず、伝統的と言われているものが実はそう長い歴史をもつものではない、ということは多々あるかと思います。
昨今良く見かける主張の「日本人ならば~」的なものも見返してみると実は、ということも多そうです。
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