炭鉱跡地に1983年オープンした石炭の歴史村には巨大なD51が目を引くSL館があり、夕張鉄道の機関車と客車、大夕張鉄道の機関車が保存されました。
夕張線乗りつぶしのついでに訪問したのですが、時間がなかったのか奥のほうにあるSL館には行かず模擬坑道を見物しただけでした。当時はまたいつでも見られるというつもりだったのでしょうが、夕張市の財政破綻を機に石炭の歴史村は閉鎖、SL館も放置され荒れてゆく状態でした。
数年前から三菱大夕張鉄道保存会が冬場のSL館雪下ろしツァーを主催し、そのときに館内見学も行われますが、雪国の人とは違って足手まといにもなりそうで参加は躊躇していました。
今年4月に本館が新たに夕張市石炭博物館としてリニューアルオープンし、7月から企画展「夕張の石炭を運んだ二つの鉄路~国鉄夕張線と夕張鉄道~」開催にあたり、8月・9月に1日づつSL館の特別公開が行われました。
かつての夕張線、今は石勝線夕張支線も廃止が決まり、お名残乗車も廃止が近づくと大騒ぎになるだろうから今のうちにとの考え、ちょうど大人の休日倶楽部パスが公開日の翌日から使えるので保存車めぐりかねて出かけました。
LCCを使おうと料金を見たらこの時期はけっこういいお値段で、スカイマークとたいして変わらないので羽田発の利便性をとってスカイマークの朝一番を予約。
このとき勘違いしていて、夕張に向かうバスが新夕張から朝の特急に接続していると思い込んでいました、がそのバスは新札幌発で新夕張は経由せず、結局千歳10:38発の利用となりました。
そうなると時間が余ってしまうので、長都駅から徒歩10分ほどのキリンビール千歳工場に保存されているD511052を再訪しました。
前回は雪の中だったので改めて周囲を見回すと、機関車の前からレールは50mほど伸びており、もう一両何か置く事もできそうです。
また前面横に階段が設置されて、公式側は撮影しにくくなっていました。
状態は企業内の上屋の下なので良好です。
千歳に移動して夕張行きに乗車。
車両は日高本線用の日高優駿号でした。
日高本線は運休が長引き本来の運用もできないので夕張線にも使っているのでしょう。
発車時間まで間があったもののすでにクロスシートは埋まっていてロングシートに座りました。座席は8割方埋まって千歳を発車。
その後南千歳、追分とけけっこう乗ってきて立っている人も増えました。
川端で特急と交換のためしばらく停車。
撮影メインの人はいないのか、跨線橋にはだれも上がってきませんでした。
川端停車中に撮影。
夕張-千歳のサボに馬のイラストの日高はミスマッチですね。
この車が晴れて本来の路線を走る日は来るのでしょうか。
新夕張からはさらに乗ってきて満員状態。
廃止予定区間に入ると各駅で下車、乗車がけっこうありました。
ホーロー駅名票もそこここに残っていました。
夕張から石炭博物館まではすぐにバスがあるのですが、保存車を訪問されているNさんの車に拾っていただけました。
集合場所の博物館ロビーはすでに大勢の人が集まっていましたが、機関車目当ての鉄道ファンといったいでたちの人は半分以下のように見受けられました。
博物館に展示されている大夕張鉄道No4の大パネル写真を撮影されたTさん、今回の特別公開の案内役をされているOさんにご挨拶。時間になったのでぞろぞろとSL館に移動、近づくと建物の荒れようが分かり、これを整備しなおすのは生半可なことではないなと思いました。
館内は照明はなく、参加者も多く撮影どころではありません。
夕張鉄道機関士OBの方がいらしていて当時の様子をお話されていたのですが、後ろのほうだったのでほとんど聞き取れず、そうこうしているうちにそろそろかぎ掛けますの声。
皆さん退出してようやくこのヒトコマが撮れました。
館内の展示物にギールスエジェクター煙突なんてものもあったのですが、暗くて時間なくて見つけられませんでした。後から前回公開時に撮影された写真見せていただいて、こんなところに転がっていたのかと。
その後はホールで当時の8mm映像などの上映会、駅のポイント切り替えミスでの脱線事故の模様もあったのですが、その機関車に乗務されていたのはさきほどSL館でお話されていたOBの方で、ご本人はこんな映像があったのは全く知らず大変驚いたとのことでした。
企画展をさらっと見て
リニューアルした博物館を見学。
館内にも鉄道に関する展示がそこそこあり、馬の引くトロッコ、坑内用電気機関車などがありました。
模擬坑道は前回訪問時に見ていたはずなので、先の天皇皇后両陛下も入坑されて、そのとき撮影された写真で皇后陛下が木に手を添えられていたのが後に「皇后様の木」と呼ばれている、という展示を見た記憶があるのですが見当たりませんでした。
他のところを混同しているのかな。
博物館から人気のない道をぶらぶら歩いて夕張駅へ、待ち時間がたっぷりあるので駅横のホテルマウントレースイ付属のレースイの湯へ。
露天風呂でのんびりしてきました。
夕張駅待合室にはカウントダウン表示。
「夕張の鉄路ありがとう」というポスターにはなぜかメーテル、機関車はさすがに999号のC62ではなくD51です。
最終列車2633Dが到着、8分の折り返し時間で2634Dで戻って行きます。
こんな時間の列車にもお名残乗車の人そこそこ乗っていました。
この日は札幌、千歳のホテルが取れず苫小牧泊に。
追分で乗り換えた苫小牧行きはがらがらでした。
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